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坂入徳次郎は1950年、60年代に活躍した挿し絵画家である。戦後黎明期の少年誌には冒険活劇(絵物語)の読み物が多く、その挿し絵画家の第一人者である小松崎茂に師事し、当時の小学館や講談社を始めとした数多くの少年誌の挿し絵や巻頭グラビアの図解イラストなどを多く手掛けた。
創刊当初からの少年サンデー、マガジンを始めそれらの雑誌のグラビアは、アイドル歌手の写真が占領する以前は「月面基地の未来図」や「宇宙人侵略」など、子供が目を輝かせて見つめたイラストが巻頭を飾っていた。現在40代以上の人々にとっては懐かしい古き良き時代である。
1970年に、商業主義的な絵画作成と一線を期するべく東京を離れ、現在の高麗郷へと移住。
教育誌への挿し絵を描きつつ、自らの創作活動を展開する。
若いころからダリやマックスエルンストなどのシュールレアリズムに大きな影響を受け、その徹底した写実主義的作風は、印象派や抽象派的芸術の対極に位置するものであった。
そして、「興亡」にみる前出のシュールレアリズム的感覚と、日本固有の文化を素材として融合した独特の作風を完成させた。
晩年はエアーブラシにみる超写真主義的絵画へのアンチテーゼとして、その筆使いも柔らかくなり、静物、風景といろいろな題材を実験的なアプローチで描いたり、
能面などの彫刻や源氏物語を題材にした切り絵の作成など、広範囲に及ぶ。
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